劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

『可愛いマシューへ。これをプレゼントするわ。Y』

プレゼントの箱に添えられたメッセージカードにはそう書かれていた。そのカードをマシューは抱き締め、「天使様が来てくれたんだ!」と満面の笑みを浮かべる。

箱を開けてマシューはさらにはしゃいだ。新品の筆と新しい絵の具が入っていた。

「この色、すごく綺麗!それに筆はイーサンに壊されちゃったんだよね。嬉しいな〜」

マシューの元には、幼い頃から「Y」という人物からプレゼントが贈られてくる。その人物のことをマシューは「天使様」と呼んでいた。

「今回も素敵な贈り物を貰ったのね」

ジルがマシューの隣に座る。マシューはジルに「うん!この絵の具、ラメが入っててすごく綺麗だよ!」とはしゃぐ。そんなマシューを見て、ジルは真剣な目を向けた。

「ねぇ、マシュー。あいつらはマシューが「魔法を使えない」って言うけど、私はそうは思わないの。だって、私はマシューの絵から生まれた存在なのよ」

ジルは三年前、マシューが天使様からプレゼントされた色鉛筆でスケッチブックに描いた猫だ。「友達がほしい」と願いながら描いた翌朝、ジルが部屋の中にいたのである。