劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

マシューは唯一自由の効く首を動かす。フレイヤがニコリと笑いかけてきた。マシューの胸が高鳴る。

(フレイヤ先輩、今日も綺麗だな……)

マシューは頰に熱が集まっていくのを感じる。そんな彼の意識を戻したのは、エドガーの声だった。

「みんな、朝ご飯食べに行こう。早くしないと授業始まっちゃうよ。レンスケ先輩たち、もう行っちゃったみたいだし」

「あっ!一限目、ウィルフレッド先生のラテン語なんだ!早くご飯食べてメイク完璧にしなきゃ!」

ローズがマシューを離す。バラの香りが離れたことにマシューはホッとした。胸元に手を当てて息をしていると、フレイヤに肩を叩かれる。

「マシューくん。大広間行こ」

「は、はい!」

マシューはフレイヤたちについて行く。寮を出て階段を降り、廊下を真っ直ぐ進んでいく。廊下の左右には肖像画や絵画が多く飾られていた。

(すごい……)

一つひとつをじっくりとマシューは眺めたくなったものの、今は朝食を取るのが先だ。憂鬱な気持ちを抱えつつ、フレイヤたちについて行く。

「ここが大広間。普段はここで他寮の生徒たちと一緒に食事をするんだ」