劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「アメジスト・ウルフ寮は東にある塔の方にあるんだよ」

ラルフが説明をしてくれる。マシューは重い足を止めた。ラルフが不思議そうに振り返る。

「……僕は、本当にアメジスト・ウルフ寮なんですか?」

「えっ?だって、紫のリボンはアメジスト・ウルフ寮だし。鏡の精霊・フェイスが君を選んだんだから」

ラルフは塔まで続く階段を登っていく。マシューも渋々それに続いた。階段を登った先には、大きなドアがあった。

「このドアの向こうにはアメジスト・ウルフ寮の人しか入れない。手をドアに当ててごらん」

ラルフに言われ、マシューはゆっくりとドアに近付いた。このドアを開けることができるということは、アメジスト・ウルフ寮に本当に組み分けされたということになる。

(どうか、このドアが開きませんように……)

そう願いながらマシューはドアに手を当てる。すると、カチッと小さな音が響いた。それと同時にドアに紫の狼の模様が浮かび上がる。

「えっと……これは……?」

マシューは振り返り、ラルフに訊ねる。ラルフはニコリと笑いながら口を開いた。