劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

絵を描くことは好きだが、才能があるのかはわからない。俯くマシューに対し、フェイスは息を吐く。

「お前は自己肯定感が低く、自分に自信がないのだな。……お前の名前を聞いた時から、私はお前の入るべき寮を決めていた。お前にはそこしかない」

マシューは顔を上げ、「ラビット・トパーズ寮ですか?」と訊ねる。ジュディスと寮は残念ながら違うものの、ハリーと一緒ならば心強い。

「……六年間、頑張りなさい。あなたなら大丈夫だ」

フェイスがそう言った刹那、また引っ張られるような感覚をマシューは覚えて目を閉じた。

辺りの騒めきで、マシューは鏡の外に出たのだと知る。恐る恐る目を開けて制服の色を確認する。制服のリボンの色はーーー紫だった。

「えっ……」

何かの間違いではないかとマシューは顔を上げる。アメジスト・ウルフ寮は、特別な才能がなければ入れない。

「あの子誰?マーキュリーって言ってたけど、パットにもう一人弟いたっけ?」

「何あの見窄らしい奴。あんなのがこの学園の顔の寮に?」

「鏡の精霊・フェイスに賄賂でも渡したのか?」