劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「女の前で格好をつけおって!!いいだろう!!そんなに死にたいならお前から殺してやる!!」

骸骨が手を振り上げる。マシューは強く目を瞑った。しかし、いつまで経っても攻撃が来ない。目を恐る恐る開ける。骸骨の手に鎖が巻き付いていた。そして、高い声が響く。

「大丈夫!?もう安心して!!」

そう言い、姿を見せたのはハーフアップにした黒髪にピンク色の瞳を持った女子生徒だった。着ている制服のリボンは紫ーーーアメジスト・ウルフ寮の生徒である。

「シーカー、遅いじゃねぇか。魔族が現れたとなればもっと早く飛んでくると思ってたぜ」

女性の魔族と戦いながらデュークが言う。シーカーと呼ばれた女子生徒は「ごめんなさい」と謝った。

「ちょうどデザートのケーキが運ばれてきたところだったので」

「戦闘よりデザートかよ。それでもアメジスト・ウルフ寮の生徒か?」

「兄さん。お喋りはあとにしてくれ!」

悪態を吐いていたデュークだったが、グラントに叱られて渋々と言った様子で口を閉ざした。女子生徒はマシューに近付く。

「君はその女の子を連れて逃げて!ここは私に任せて!」

そう言いながら女子生徒は次々と魔法を放っていく。マシューは机の下を覗き込んだ。女の子はまだ震えている。

「もう大丈夫。一緒に逃げよう」