劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「マシュー。大丈夫か?」

ハリーに話しかけられ、マシューは言葉を発することなく首だけを縦に動かす。悲しみが込み上げてくる。

(顔を上げられない……。せっかく入学するのに、どうして僕はこんなダメな奴なんだろ)

涙が溢れ落ちそうになった時だった。それまで黙っていたジュディスが顔を上げ、「見て!!」と大袈裟なほど明るい声で言う。その言葉にハリーが顔を上げ、「すげぇ!!」と声を上げた。

「マシュー!上見てみろよ!」

ハリーの言葉にマシューは顔を上げた。周りを見れば、みんな空を見上げている。恐る恐る顔を上げたマシューは、目の前にある光景に目を見開いた。

「すごい……」

雲一つない青空に、一隻の巨大な船が浮かんでいた。船はゆっくりと丘の上に着地する。その光景を見ていると、マシューの心の中にあった暗い気持ちは吹き飛んでしまった。

「ディセントラ学園にはこの船に乗って行くの。さっ、行こう!」

ジュディスが笑顔で言い、船へと向かって歩き出す。マシューはハリーと顔を見合わせ、ゆっくりと船に近付いた。