劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「始祖の一族?」

マシューが訊ねると、煙の映像が変わる。家系図のようだ。

「始祖の一族というのは、初めて魔法を使えるようになった一族のこと。家の名前はミッドフォード家。そこからどんどん魔法家系が誕生していったんだ〜。あっ、魔法家系っていうのは魔女・魔法使いばかりが生まれる家系のこと。非魔法家系は魔法が使えない人たちのこと。まあ、最近は魔法家系出身の子より非魔法家系出身の子の方が圧倒的に多いけど」

「こんだけ魔法に詳しいってことは、ジュディスは魔法家系ってことか?」

ハリーの問いに対し、ジュディスは「正解!」と言いながら指を鳴らす。煙の映像がまた変わった。ジュディスが浮かび上がる。その周りには五人の男女がいた。

「あたしの家族!お父さんとお母さん。お兄ちゃん二人とお姉ちゃん一人。全員ディセントラ魔法学園の卒業生なんだ〜」

ジュディスは楽しそうに話す。マシューの胸がズキンと痛んだ。初めて胸に広がる感情にマシューは戸惑う。

(どうしてこんな気持ちになるんだろう?僕に家族はいないのに。いないことが当たり前なのに……)