劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

「フレイヤは優しくて明るい子だけど、気を付けてね。あの子にも闇はあるんだよ」

「……どういうことですか?」

言葉の意味がわからず、マシューは首を傾げる。マシューの目の前で、フレイヤはミラに基礎戦闘魔法を教えていた。その顔には穏やかな笑みがある。とても闇を抱えているようには見えない。

「人はみんな、秘密の仮面を被って生きてるのさ。家族にも、友達にも、恋人にも、誰にも見せられない仮面を被っている。それを無理やり暴くか、それとも仮面を外してもらうのを待つかは、人それぞれだけどね」

オーロラはそう言った後、フレイヤたちの方へと走っていった。マシューの凪いでいた胸がザワザワと荒れ始めた。



レンスケたちによる特訓を終え、マシューは廊下を歩く。絵を描くため、美術室に向かうためだ。

(今なら線画の練習くらいはできそう!)

曲がり角を曲がる。すると、マシューは誰かとぶつかってしまった。マシューと相手は尻もちをついてしまう。ドサドサッと何かが落ちる音がした。

「イタタ〜……。すみません」