劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

パトリシアとイーサンにいじめられている時、フレイヤなら颯爽と現れてマシューを助け出してくれるだろう。想像するだけで、マシューは息を吐いた。

「フレイヤ先輩……」

ローズと非魔法家系の間で流行っているというダンスを楽しそうに踊っていたフレイヤを思い出し、マシューの顔に熱が集まる。そんなマシューを見て、ジルは足でマシューの頰をプニプニと突いた。

「ねぇ、まだ寝るには早いでしょ?ちょっと散歩しましょうよ」

「散歩?」

「そ。裏庭にでも行きましょ」

ジルはそう言い、窓から飛び降りていく。マシューも慌ててあとを追いかけた。

アメジスト・ウルフ寮のある東の塔の近くに裏庭はある。裏庭と言っても花壇の手入れはきちんとされており、ピアノや噴水などもある。昼間は生徒が足を運ぶことも多い場所だ。

マシューがジルと共に裏庭に行くと、ピアノの音が響いていた。悲しいほどの美しい旋律に、マシューの胸が締め付けられる。

「オードリナ先輩……」