電車へ乗り込む。
金曜の夜の車内は混んでいた。
吊革を掴みながら、洸太はぼんやり窓の外を見る。
暗いトンネル。
流れていくホームの光。
スマホが小さく震えた気がして、反射的に画面を確認する。
通知は来ていなかった。
自分で少し笑ってしまう。
重症だな、と思う。
昔も、こんな感じだった。
文姫から返信が来るだけで落ち着かなくなって。
来なければ勝手に不安になって。
今はもう少し大人になったと思っていたのに。
結局、根本は変わっていないのかもしれない。
その時。
ふと、桃花の顔が頭をよぎる。
真っ直ぐな目。
震えていた声。
『私じゃ、ダメなんですか』
洸太はゆっくり目を閉じる。
傷つけた。
それでも、自分は文姫のことを考えていた。
桃花とキスした直後ですら。
その事実に、自分で少し驚く。
昔なら。
もっと流されていた気がする。
多分OKをしていたと思う。
誰かに好かれることが嬉しくて。
寂しさを埋めるために、曖昧な優しさを返していたかもしれない。
でも今は違う。
文姫と再会してから、自分の気持ちをごまかせなくなっている。
電車が揺れる。
窓へ映る自分の顔は、どこか疲れていた。
でも、その奥に少しだけ熱がある。
洸太は静かに思う。
明日。
ちゃんと文姫の顔を見たら。
自分は、もう止まれない気がした。
“また友達に戻れた”
だけでは、たぶん終われない。
金曜の夜の車内は混んでいた。
吊革を掴みながら、洸太はぼんやり窓の外を見る。
暗いトンネル。
流れていくホームの光。
スマホが小さく震えた気がして、反射的に画面を確認する。
通知は来ていなかった。
自分で少し笑ってしまう。
重症だな、と思う。
昔も、こんな感じだった。
文姫から返信が来るだけで落ち着かなくなって。
来なければ勝手に不安になって。
今はもう少し大人になったと思っていたのに。
結局、根本は変わっていないのかもしれない。
その時。
ふと、桃花の顔が頭をよぎる。
真っ直ぐな目。
震えていた声。
『私じゃ、ダメなんですか』
洸太はゆっくり目を閉じる。
傷つけた。
それでも、自分は文姫のことを考えていた。
桃花とキスした直後ですら。
その事実に、自分で少し驚く。
昔なら。
もっと流されていた気がする。
多分OKをしていたと思う。
誰かに好かれることが嬉しくて。
寂しさを埋めるために、曖昧な優しさを返していたかもしれない。
でも今は違う。
文姫と再会してから、自分の気持ちをごまかせなくなっている。
電車が揺れる。
窓へ映る自分の顔は、どこか疲れていた。
でも、その奥に少しだけ熱がある。
洸太は静かに思う。
明日。
ちゃんと文姫の顔を見たら。
自分は、もう止まれない気がした。
“また友達に戻れた”
だけでは、たぶん終われない。


