船へ戻ると、操縦士さんは人魚のウロコを見て驚いた表情を見せた。
「ほんとうにもらってきたんですか! いやあ、すごいなあ」
「えへへ! わたしたち、昨日と今日で仲良くなったんで!」
ちらりとロウくんを見ると、なんだか不服そうだ。
「ふん、結局2日で終わったな。あんな大荷物、いらなかったな」
「うるさいなあ……」
言い合うわたしたちを、操縦士さんは訝しげに見つめる。
「宮古島魔法生物研究所の皆さんには、大変お世話になりました。オレたちは船を降りたら、東京に帰るので」
ロウくん、「お世話になりました」とか言えるんだ。
「ええ、伝えておきますよ。ほんとうに、ウロコが手に入ってよかったですね」
「ほんとうによかったです! ありがとうございました!」
わたしもお礼を言った。
船を降りて、着替えたあと。
わたしはまた大荷物を持って、砂浜に立っていた。
横にはもちろんロウくんもいる。
転移魔法で、東京魔法学校に帰るんだ。
わたしはまた、ロウくんの腕をつかむ。
「海、入りたかったなあ……」
「また来ればいいだろ。じゃあ、始めるぞ」
わたしたちの足元に魔法陣が広がる。
そして、転移する瞬間――。
「あっ」
「あ?」
転移は始まって、目の前は真っ暗になっている。
「家族へのおみやげ忘れてたああああああっ!」


