次の日は、朝から視線が違った。
教室に入った瞬間、空気が一瞬止まる。
そして、すぐにいつもの会話が再開する。
……でも、それは「普通」を装った空気だった。
私は気づかないふりをした。
気づいたら、崩れるから。
席に座ると、後ろの方からひそひそ声が聞こえる。
「ねえ、星乃さんってさ…」
「黒月と関わってるんでしょ」
「やばくない?」
「ていうか、あの子親いないんだよね?」
心臓が跳ねた。
でも私は表情を崩さずに、教科書を開いた。
聞こえてない。
聞こえてない。
私は何も聞いてない。
そうやって生きてきた。

