叶兎の言葉は、私の心の奥をそのまま指した。 寒い。 ひとりの部屋は寒い。 私は布団を握りしめた。 「……帰らないで、ほしい」 ぽつりと出た声。 自分でも驚いた。 言ってしまった。 お願いしてしまった。 その瞬間、全員が固まった。 伊織がぱっと笑う。 伊「うん!帰らないよ!」 斑「今さらかよ」 迅は眼鏡を押し上げ、少しだけ目を細めた。 迅「……素直になれるのですね」 叶「……よし」 航斗だけが、私をじっと見ていた。 そして、低く言った。 航「最初から帰る気ねぇよ」