でも。 伊織がふわっと近づいてきて、笑った。 伊「透羽ちゃん、一緒に帰ろ?」 「……うん」 答えてしまった。 断れなかった。 嫌われるのが怖かったから。 黒月の5人と一緒に歩く帰り道は、目立つ。 視線が刺さる。 すれ違う生徒が、わざとらしく声を落とす。 「え、また黒月と一緒…」 「やばくない?」 「調子乗ってるんじゃない?」 私は笑って歩いた。 何も聞こえないふり。 慣れてる。 こういう視線も、ひそひそ声も。 それよりも、ひとりになる方が怖い。