朝、目が覚めた瞬間に思った。
昨日のこと、忘れたいなぁ……。
黒月が家の近くまで来た。
私の生活に触れようとした。
ひとり暮らしだと疑われた。
そして、叶兎の言葉。
『寒い』
あれは暖房の話じゃない。
私の部屋のことでもない。
きっと、私の中のこと。
そう思った瞬間、胸がぎゅっと痛くなった。
私は布団から出て、カーテンを開けた。
朝の光が部屋に入る。
でも部屋は、やっぱり静かだった。
「……大丈夫」
誰もいない部屋で、私は笑って言った。
それが私の儀式みたいになっていた。
学校に着けば、私はいつもの透羽になれる。
「透羽、おはよ!」
「おはよ〜!」
「今日の授業だるいよね〜」
「わかる〜」

