伊織が慌てて言う。 伊「斑くん、言い方悪いよぉ」 叶「……寒い」 「え?」 叶「……家。……寒い」 その単語に、胸がきゅっと痛んだ。 私の部屋は、いつも少し寒い。 単に、暖房代を節約しているからじゃない。 それ以外の理由を知られている気がして、私は怖くなった。 「……私、帰るね」 私は笑った。 「送ってくれてありがとう!」 航斗が私の腕を掴む。 航「待て」 「……なに?」 航斗は私を見下ろして、低く言った。 航「お前、逃げんな」 「逃げてない」