家の近くまで来た時、私は足を止めた。
「……ここまででいいよ〜」
航斗が眉をひそめる。
航「なんで」
「家、すぐそこだから」
航「なら送って終わりだろ」
「……だめ」
小さく言ったつもりだった。
でも航斗は聞き逃さなかった。
航「だめ?」
私は笑ってごまかした。
「えへへ。なんでもな〜い」
迅が一歩前に出る。
迅「……透羽さん。あなた、ひとり暮らしですか?」
私は固まった。
一瞬、世界の音が消える。
「……なんで〜?」
迅「ただの憶測です。この近辺は一軒家が少なく、一人暮らし用のマンションばかりなので」

