少し離れたところに、黒月のメンバーもいた。
迅は眼鏡を押し上げ、こちらを見ている。
斑は腕を組んで、露骨に不機嫌。
伊織はにこにこしていて、叶兎は無表情。
斑が吐き捨てる。
斑「航斗、マジか」
航「うるせぇ。黙ってついて来い」
伊織が嬉しそうに笑う。
伊「透羽ちゃん、帰り道一緒だぁ」
「え、みんなも?」
迅が丁寧に頷く。
迅「総長命令ですので」
叶兎がぼそり。
叶「……送る」
斑「……ったく」
私は笑って、誤魔化す。
「ごめんね〜、迷惑じゃない?」
航斗が即答した。
航「迷惑なら来てねぇ」
その言葉が、少しだけ温かかった。
胸の奥が痛くなる。
……こんなの、ずるい。

