「どうしたの?航斗くんから話しかけてくるなんて珍しいね〜」 航「帰るとこだろ」 透「うん、そうだよ」 航斗は少し顎を上げた。 航「送る」 「……え?」 意味が分からなかった。 「えっと、私、大丈夫だよ?」 航「聞いてねぇ。送るって言った」 上から目線。 断れる空気がない。 でも断ったら嫌われる気がして、反射で笑ってしまった。 「……ふふ。ありがと」 その瞬間、胸の奥が嫌な音を立てた。 だめだ。 近づくな。 そう思っているのに、私は自分から扉を開けてしまう。