放課後、教室の窓から見える空が、少し赤くなっていた。
私は鞄を持って立ち上がる。
「透羽、今日どっか寄る?」
「ごめん、今日はまっすぐ帰る!」
「そっか〜。また明日ね!」
「うん、また明日〜!」
“また明日”
その言葉は優しい。
でも私は知っている。
明日が当たり前に来るとは限らない。
それを知ってしまっているから、「また明日」は、少しだけ怖い。
校門を出たところで、背後から声がした。
「おい」
聞き覚えのある、低い声。
私は振り返る前に、笑顔を作った。
「なに?航斗くん」
制服の上着は肩にかけているだけ。
目つきは鋭くて、相変わらず怖い。

