航斗が一歩近づく。 航「死んだほうが楽って言っただろ」 「……」 喉が詰まった。 聞かれた。 聞かれたくなかった。 伊織が泣きそうな声で言う。 伊「透羽ちゃん、そんなこと言わないで…!」 斑が怒鳴った。 斑「お前ふざけんなよ!!」 迅が眼鏡を押し上げ、冷静に言う。 迅「……これは冗談ではありませんね」 叶兎が、ゆっくり言った。 叶「……死ぬ……だめ」 その言葉が、胸の奥に落ちた。 私は笑った。 「死なないよ」 嘘。 死なないって言えば、みんな安心する。 でも航斗は、笑わなかった。