ひとりが嫌で、今日も笑う。


教室に入ると、また視線が刺さった。

「星乃さんってさ、黒月と付き合ってんの?」

「総長とじゃない?」

「絶対調子乗ってる」

「可哀想ぶって、男漁りしてるだけじゃない?」


聞こえる。

全部聞こえる。

でも私は笑った。


「おはよ〜」

いつも通りの声。

いつも通りの笑顔。

だけど今日は、少しだけ心が揺れた。


黒月がいる。

そう思うだけで、胸が少しだけ強くなる。


……それが怖い。

黒月がいなくなったら、私はどうなるの?


そんな考えが頭をよぎって、胸が痛んだ。


昼休み、屋上に行くと、黒月がいた。

伊織が笑って駆け寄ってくる。


伊「透羽ちゃん、今日ね、購買で新しいパン見つけたの!」

「え、なにそれ」

伊「抹茶クリームのやつ!」

「美味しそう!」