記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

ユキが見つかって記憶を取り戻してからの半年以上はユキも辛かったのだとマリは思い至った。

自分だけが苦しくて辛い思いをしていると思っていたが、きっとユキはもっと苦しかっただろう。

マリはただユキを恨んでいればよかったけれど、ユキはマリの元に戻るために裕美に理解してもらわなければならなかったのだ。

それに半年もかかったと言っていた。

きっともっと早くマリに会いに来るつもりだったのだろう。

だから興信所に頼んでいつもマリの居場所を把握していたかったのだ。

マリはユキに抱きしめられながら心の中で”ユキ、ごめんね。ありがとう“と謝って、マリを探し出してくれたことに感謝した。

それから次のユキの休みの日に二人で貝原の事務所に行って、貝原と話をすることにした。

「そうか、やっとマリの所に戻ることができたんだな。半年前はきつい事を言ってすまなかった」

と謝ってくれた

「いいえ、貝原さんの言う事がもっとも過ぎて僕は何も言い返せなかったです。でも、マリを幸せにするのは僕の役目なので、何を言われてもマリを諦める事はしませんでした」

そう言うとユキはマリを優しく深い想いのこもった眼で見つめた。

「実は先週婚姻届けを出してきました。貝原さんに相談も無くすみません。でも、もう婚姻届けを出していない事を後悔するのは嫌だったんです。記憶が戻って周りの状況に身動きが取れなくなった時にもっと早く婚姻届けを出しておくべきだったとどれほど後悔したか…なので僕とマリはもう夫婦だと言う前提でこれからのマリの仕事の話を聞いてやって下さい」

「そうですか、わかりました。それでマリはどうしたい」

「結婚していると言う事がネックになるなら、仕事は辞めさせて頂きたいです。でも、それでも仕事ができるなら女優としてやってみたいです。でもまず家庭が一番の働き方になってしまいますので、貝原さんがそんな面倒な女優なんて無理だと思うならそういって下さい。モデルでも、話が来るなら引き受けます。貝原さんの取って来てくれる仕事は信用していますから」

そう話すマリをユキはじっと見つめていた。

こんなに愛情の籠った優しい眼をしてマリを見つめるユキに貝原は降参した。

「わかった。ユキさんを見つける事がマリの一番の目標だったものな。無事にユキさんを取り戻せてよかったな。そして二人とも結婚おめでとう」

優しい目をした貝原は二人を祝福してくれた。

マリのマンションは二人で住むマンションが整うまでもう少し住まわせてもらえることになった。

時々ユキが尋ねて行っても全然構わないと言ってくれた。

そして、マリの仕事に関しては結婚していても構わないと言ってくれた。

今ドラマと映画の話が来ているそうで、どちらも貝原はいい役だと思うと言った。

映画の方はロケがあったりするので泊りになることもあるが、ドラマは都内の撮影所かロケでも一日で済む所らしい。

保留にしていたのでもう他の人に決まったかもしれないが、マリがやってみたいなら聞いてみると言う事だった。

マリは内容と役を聞いて映画のほうはやってみたいと言った。

脇役だが主役に絡む重要な役でマリは意欲的だ。

貝原は、こういうスタンスで女優はやっていけばいいしモデルの方は年齢にあった話が来れば貝原が受けてスケジュールを管理する事になった。

今までは月給制+仕事の歩合制だったがこれからは決まった仕事の歩合制にすることになった。

だからマリもゆったりとしたスケジュールで仕事ができる。

貝原に感謝して二人はその後マンションの候補を見に行った。

マリが女優を続けるのであればセキュリテイのしっかりした所でないとユキが心配だと言ったので、まずセキュリテイの良い事、駅から近い事これは通勤をするユキの負担を考えての事だ。

部屋は寝室と書斎にできる部屋と子供ができた時のために後2部屋は欲しい。