記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

マリは泣き笑いしながら、タクシーでマンションに帰った。

三崎のお陰でマリは少し前向きになることができた。

大きな会社の御曹司でも自分の好きには生きられないのだ。

マリがユキと一緒になれないのもそう言う事なのだろう。

自分はいつも引かされる運命なのだ。

でもそうであるなら、一人で生きる道を見つけようとマリは心に誓った。

誰かのそばで幸せを見つけるのではなくて、自分で自分の幸せな人生を見つけようとマリは決心した。

三崎との週刊誌の記事は一回きりで事務所の方もただのスポンサーとモデルの関係以外何もないというコメントを出したのでそれ以上続報は出なかった。

先日伊藤先生から電話があって、ユキを殴って海に放り込んだ不動産開発業者の男が逮捕されたらしい。

社章にはナンバーが彫られていて持ち主が特定できたらしく、家宅捜査でユキの免許証や弁護士バッチが書類鞄ごと押し入れ深くに隠されていたのが見つかったそうだ。

処分にも困ったのだろうと伊藤先生は言っていた。

ユキは運転免許証が期限切れだったので理由を証明してもらって更新できたそうだ。

それに、その捕まった男はまだその会社の社員だったので民事でその会社に対してユキ個人と一法律事務所のほうでも損害賠償を求める訴訟を起こすと言っている。

多分勝訴は間違いないので、和解して和解金がかなり支払われるだろうからマリにも受け取る権利がある。

ただ裁判の常でそれにはまだかなり時間がかかると言って先生は申し訳ないねと言った。

マリには知る権利があると言ってそんなことまで詳しく先生は教えてくれた。

ユキにはマリが2年余り払い続けた興信所の費用をマリに返さなければいけないと言ったそうだ。

マリが勝手にしたことなので返して貰うつもりはないが、ユキがけじめをつけたいというならユキの判断に従うつもりだ。

真面目なユキの事だ。きっと毎月返済すると言ってくるだろう。