記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

それからはバレンタインデーの日にはマリからチロルチョコレート1個がユキに贈られるようになった。

ユキは毎年チロルチョコレートを大事に大事に一日ひとかじりとかいって、その小さなチロルチョコを1週間かけて食べていた。

そしてその包み紙に“〇〇年のバレンタインデーbyマリ”と書いて毎年大切に取っておくのだ。

マリはもっと豪華なチョコレートをあげたいと言った。

でもそんなのはいらないこのチロルチョコレートがいいんだと言って笑っている。

マリが中学生になるとユキと二人で新聞配達のバイトを始めた。

朝刊だけなのだが、朝学校に行く前に自転車で配達するのだ。

自転車に乗って配達に行くのが二人とも大好きだった。

養護施設に自転車があったので二人とも自転車には乗れた。

雨の日や寒い冬の日は朝早くの仕事は大変だった。

でもユキもマリもバイトでもらえるお金が楽しみだったので頑張って働いた。

ユキは高校生になっても朝刊の配達はマリにつき合ってくれた。

マリが中学校を卒業するまで一緒にやってくれたのだ。

高校生になるとマリはホテルのレストランに仕事を見つけた。

養護施設ではそれぞれにする仕事があったので、自分の当番ではない日の学校が終わってから9時までと土日祝日は一日働いた。

遅くなる日は賄の食事が出たので、マリはそれも楽しみだった。

養護施設には必ず10時迄に帰るように言われていたのでそれは守っていた。