記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

港に帰ってから、お昼にはその日網にかかったイカや魚やエビなどを焼き、魚のお頭が入った美味しいみそ汁を作る。

そしておっちゃんが持ってきてくれるおにぎりをみんなで食べるのだ。

その後明日の出航の準備や敗れた網の手直しなどをして解散となる。

ケンはその後2時位から6時位まで港の漁業組合の事務所で手伝うようになった。

計算も早くていろんな処理も一度教えると直ぐに覚えて皆に頼りにされるようになっていった。

様々な契約書の不備を見つけて指摘するケンを頼りにするようになった。

裕美の幼馴染の西谷泰樹(ニシタニヤスキ)が組合で働いているので口をきいてくれたのだ。

身元がはっきりしないのにきちんと給料も貰えるようにしてくれた。

泰樹もすぐにケンと仲良くなって、時々泰樹の友達と夜にスナックに行くようになった。

組合から家まで浜辺を回って30分位だがいつも走って帰っている。

夜の夕飯の後は筋力トレーニングを欠かさない。ケンの体は彫刻のように胸筋が発達して腹筋も割れてきた。

風呂上がりに上半身裸で自分の部屋まで行くので嫌でも裕美の目に入る。

ケンは、裕美と母親の恵子には感謝してもしきれないと思っている。

特に母親の恵子の優しい表情やケンを気遣う気持ちが感じられて初めて母親というものに接した思いがする。

自分には母や父や兄弟がいたのか?家族と暮らしていたのか?何もわからなかった。

歳さえわからないのだ。

結婚していた可能性もある。

もし結婚していたなら相手はどんな思いでいるのだろうと思う事はあったが、どうしようもない。