記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

モデルとして働き始めて直ぐにこんな大きなCMをものにするなんて、すごいなと貝原もびっくりしていた。

マリはただ運がよかっただけだと思っている。

ユキを見つけたいと言うマリの信念を神様が後押ししてくれたのだと…

化粧品のほうはマリの上半身のアップの写真が街中に貼られた。

少しトーンを落としたオレンジのリップを塗りブルーのアイシャドーでメイクしたマリの顔がアップになった写真もあった。

ブルーの瞳にブルーのアイシャドーを付けたのが受けたのかこの新色のシャドーは大ヒットになったそうだ。

東京の有名な交差点のビルの壁面にマリの顔がアップで写っている。

その後この化粧品会社のイメージモデルはマリになった。

アルコール飲料のほうはテレビコマーシャルで、酎ハイの缶を飲みながら楽しそうに海辺を歩くマリの姿が撮られた。

そうして最後に顔の前に缶を掲げて横を向いてほほ笑むというものだったのだが、最後にマリは“ユキ愛してる”と口パクしたのだ。

完全にアドリブだったのだが、監督がそのマリの切なげな表情と微笑みが気に入ってそのまま採用された。

マリが心を込めてユキに語りかけた渾身のアドリブだったのだ。

どこかでユキが見ていてくれますようにと願いながら…

そのCMが大人気となった、そして”青い瞳のビーナス“というキャッチフレーズでモデルのユキは人気を博した。

女性誌の表紙を飾り、色々なCMのポスターが街に貼られた。

人前に出たり初めての人と話すのは苦手なマリだったが、貝原は上手くマリをサポートしてくれた。

水着のモデルはしないと最初に貝原に言っていたので、そんな仕事は取ってこなかった。

そんな所も貝原は誠実だった。

マリは安心して貝原の取ってくる仕事を夢中でこなしていた。