記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

二人はもう夫婦の感覚でいたのでそう言えば籍を入れていないのに気が付いたのは、ユキが一法律事務所で働き始めて1年がたつ頃だった。

一法律事務所は結構大きな事務所で、法人契約の顧問弁護士や民事に刑事も扱っていて所属の弁護士は20人ほどいる。

ユキはまだ下っ端なので先輩弁護士のサポートなどをしているらしい。

調査に行くこともしばしばで、出張などもあって忙しい毎日を送っている。

そして、ある日籍が入っていないことに気付いたユキが区役所で婚姻届けをもらってきた。

二人で一先生に承認欄にサインをもらいに行った。

ユキが予め一先生に訪問のアポを取ってくれていたので、マリは事務所の皆さんに手作りのクッキーやフィナンシェをたくさん持っていった。

マリが作るお弁当は事務所内でも評判になっていたので、手作りお菓子はとても喜んでもらえた。

ユキは初めての給料が出た時に、中学一年生の時の弁護料を払うと言ったらしい。

一先生は“そんなものはいらない。ユキが弁護士になってくれてこの事務所に来てくれたんだ。おつりがでるよ”と言って笑っていたそうだ。

一先生も、ユキと呼んでいる。

だから、皆はユキと言う名前だと思っているらしい。

事務所に行って一番驚いたのはユキが刈谷先生と呼ばれていたことだ。

そうなのだ、ユキは弁護士の先生なのだとその時初めて実感したマリは嬉しくて涙が溢れそうになった。

ユキに”どうした?“と言われて、そう言うと

“青い瞳の俺のビーナスは最高に可愛いな”と言って、会議室に連れ込まれて抱きしめてキスされた。