記憶を無くしたイケメン弁護士は運命のビーナスを取り戻せるか!

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マリはユキと暮らし始めてユキの大学生活を支えるため高校時代ずっとバイトをしていたホテルに就職出来て安心した。

正社員として働き始めたので福利厚生は安心できるし、毎月決まった給料が貰えるのは嬉しい。

これで少しは買う物の予定も立てられる。節約のために中古のミシンを買ってできる物は何でも手作りした。

勉強するユキの邪魔になるかと思っていたミシンの音もユキは気にならないらしい。

マリがたてる生活の音は何でも心地いい音楽のようだから安心するのだというので、この頃は遠慮なく家でミシンを使っている。

始めは節約の為だったがこの頃は手作りが楽しくて、余り切れの布地で小物も作っている。

化粧ポーチや、お弁当袋、小物入れなどを作るのが楽しくて、レースを付けたりパッチワークにしたりして自分なりに工夫して作っている。

同僚の子に“どこで買ったの?“と言われて手作りだというとビックリされる。

そんな風に見えないらしい。どんな風に見えるのか?謎だけど…

だから、時々いいねって言われたものを手作りしてあげるととても喜んでくれる。

大学でもユキのお弁当袋は人気だったらしい。

朝2人分を作って、大学に行かない日でもお昼に食べられるので休みの日以外は必ず作っている。

ユキはお弁当をものすごく喜ぶ。

ネグレグトの母親だったので食事だってまともに作ってもらえなかったからお弁当なんて作ってもらった事はなかったのだろう。

一緒に暮らし始めて、落ち着いたある日大学に行くユキに”はい、お弁当“と言って渡すと、ユキはびっくりして目をウルウルさせていた。

お弁当を作ってもらったのなんて初めてだと感動したらしい。

施設での遠足なんかの時のお弁当はいつもスーパーで売っている助六弁当だったのだ。

その内お弁当袋に入れて渡すようになると、皆に冷やかされて恥かしいと言っていたが、お弁当は楽しみにしているようでいつも残さずきれいに食べてあった。