バド×ハピ~きみのことなんか好きじゃないし!~

震える陽向の手を握った。
両手で握って、いつも陽向がするみたいに。

「ひな?」

「陽向、絶対勝とうね!!」

ぎゅっと力を込めて、わたしの気持ちも一緒に伝わったいいなって思いながら。

「絶対優勝しよ!あんみつペアになんか負けないんだから!」

「ひな…」

真っ直ぐ前を向いて、陽向の顔を見たらちょっとだけ緊張しちゃったんだけど陽向がぎゅって握り返してくれたから。


「うん!絶対勝とう!!」


なんだかできる気がしたの、きっと大丈夫だって思えたの。

いつもおっくうに思ってたはずなのに、今日はすごく力が湧いてくるみたいなー…


「ひなと手繋ぐと安心するんだよね!」


陽向の手が熱くて、わたしの手まで熱くなる。

そんな温度に少しだけドキドキして。

「コートでもがんばれる気がするんだ」

やわらかい表情で笑う陽向の顔を見たらもっとドキドキしちゃうんじゃないかって思った。

「緊張してた僕を大丈夫ってひなが言ってくれたから」

もう一度目を合わせて、ぎゅっと手を握って。


あ、思い出した、今思い出した。
どうして試合前に“これ”をするようになったのか思い出した。


「ひな、がんばろうね!」


初めて陽向とペアになった時、陽向の手が緊張で震えてたのを見て思わず手を握ったの。
大丈夫だよって伝えたくて、でも言葉じゃうまく言えなくて。

男子のことは苦手だったのに、陽向の震えてる手を見たらどうにかしてあげたくなって。


だってわたしのペアの相手だからー…


「わたしも!」

離されそうになった手をもう一度引き留めるように握った。少しだけ驚く表情をした陽向を見つめて。

「がんばろうって思えるの!陽向と手繋いだら絶対勝てるって思えるの!」

気付けば力になってた、もうあたりまえになっててただの慣れだと思ってたけど久しぶりに繋いだ陽向の手はわたしに勇気をくれるから。


だからわたしもがんばれる、陽向と一緒なら。



「「絶対勝とう!!!」」