バド×ハピ~きみのことなんか好きじゃないし!~

「「香耶先生やっぱり陽向(ひな)とペアがいいです!」」


すぐに香耶先生の元まで走って、陽向と2人でお願いをした。
香耶先生の隣でタブレットを見ながら体操の練習をしてた湊くんはさておき、もう一度陽向とバドミントンがしたくて香耶先生に頭を下げた。

「先生お願い!もう1回ペア変更して!!」

「わたしも!わたしもっ、ペア変えてほしいって言ったけどやっぱり元に戻してほしいです!」

もう遅いかもしれないけど、こんなのわがままだって思うけど、諦めたくなくて。


「「お願いします…!!」」


わたしは陽向とバドミントンがやりたいー…


「ひなひなでエントリーしてるけど」


わたしたちの勢いとは反対にさらっと答えが返って来た。
なぜか香耶先生のがきょとんっとして、すごい力を入れてここまで来たのに気が抜けそうになる。

「あ、ごめん言ってなかったっけ?」

たぶんわたしも陽向もパチパチって2回瞬きをした。

え、ごめんって何…?

そんなの聞いてないし!ごめんって軽すぎるし!!

「「聞いてないですけど!!?」」

「あー、そうだっけ?ごめんごめん、大会エントリーはペア交換前にしたやつだから最初のペアで申し込んじゃってるのよ」

香耶先生がほらっとファイルを開いて大会エントリー用紙を見せてくれた。そこにはわたしの名前と陽向の名前は隣に書かれていて…

「ね?」

「“ね”じゃないよ先生!」

「そうですよ!わたひたち練習してないのに…っ」

あれからずっと、同じコートの中にいなければラリーの打ち合いだってしてない。話すことだってしてなかったのに、もう大会は始まろうとしてるし。

「あかりと湊だってそうだけど、私は最初から日向と陽向が1番良いペアだと思ってる」

ファイルを閉じた香耶先生がわたしたちの方を見た。急に真剣な目をしたからスッと背筋が伸びるみたいだった。

「今回ペアを変えてみてわかったんじゃないの?」

……。

それはまるで最初からわかってたみたいな。
香耶先生は初めからこうなることをわかってたみたいに、わたしたちの顔を見て背中を押すから。

「今のひなひななら大丈夫でしょ?」