バド×ハピ~きみのことなんか好きじゃないし!~

あかりちゃんを置いたまま、ぐいぐい引っ張られて体育館の隅っこまで。

「ちょっと陽向!何、ねぇ!?」

ジャージの掴み方がティッシュのつまみ方で気になるし。

「陽向ってば!」

隅まで来たらスッと手を離された、離し方まですっごい慎重でそれはそれで気になる…っていうか。

そうじゃなくても今日の陽向は陽向らしくなくて。

「陽向、あの…」

「人のこと気にしてんなよ」

「え…?」

はぁっと息を吐く、腰に手を当てて下を見るみたいに。

わたしは陽向の顔を見てるのに、陽向はわたしのことなんか全然見ようとしなくて。

「陽向、緊張してたよね!?」

それでもわたしは陽向のことを考えてるつもりだった。

「体ガチガチで動けてなかったよ、あれはもっと…!」

陽向が悩んでるって、コートの中の陽向を見て思ったからー…

「もうひなとはペアじゃないよ」

やっと目が合ったと思ったら、その瞳はいつもの陽向じゃなかった。知らない顔だった。

「で、でもわたしは…っ」

「ペア交換したいってひなずっと言ってたじゃん?」

「そうだけど…っ」

「じゃあいいじゃん」

どうして今胸が苦しいのかわからない。
ずっと陽向とペアはやりたくないって思ってた、はずだったの。

「つーか僕に触られたくないんだろ」


“ごめん、陽向に触りたくなくて”

今気付いたの、自分のことばっかりでわかってなかった。

今だってなるべく触れないように優しくしてくれたのにわかってなかった。


「僕のことはいいから自分のこと考えなよ」


わたしずっと…

陽向のこと傷付けてた?