ライバルの君が番になるとき。

自分にそう言い聞かせているのにもかかわらず、古屋のその行動にさっき以上に心臓が脈打った。

『5秒前、ポン、ポン』

そんな機械音が聞こえ私は頬を両手でバチッと挟んで叩き、正面を向いた。

*  *  *

「お疲れ。48回」

すれ違いざまに古屋がそうとだけ言った。

「え・・・・・・」

気のせいか。

それはもうわからない。

けど、この目が見たのは・・・・・・。

顔と耳が真っ赤の古屋の恥ずかしそうな顔だった。

私は、後半の人達が並んでいる列に男子の友達と並ぶ古屋をぽかんと見つめた。

『5秒前』

その音がなると、みんなが前を向いた。

一番奥に並んでいる古屋はいつもと違って真剣な顔をした。

っ・・・・・・。

その顔を見てまた心臓が動いた。

スタートの音とともにみんながゆっくり走り始めた。

最初は20人近くいて、15人くらいになった時。