ライバルの君が番になるとき。

真っ先に思い浮かんだのはここの高校の制服を着た陽汰だった。

陽汰もここの高校来るって・・・・・・言ってたもんね・・・・・・。

「・・・・・・橘」

そんな低く、聞き覚えのある声がして顔を上げようとしたけどなぜか脳がフリーズした立ち上がることが出来なかった。

「・・・・・・はぁ。立てるか?」

少し呆れたように言ったのは古屋だった。

「っ・・・・・・」

『大丈夫だから』

『あっち行って』

そんな言葉が口から出てこなかった。

それどころか立ち上がることすらも出来ないままだった。

古屋はなにも言わないまま私の両足を前に突き出すようにして伸ばし、私の膝と背中に片手ずつ持っていきそのまま私を浮かせた。

要はお姫様抱っこされたのだ。

でも、フリーズした私は壊れた人形のように抱き抱えられていた。

「大丈夫、大丈夫だからな」

っ・・・・・・。

その言葉に無意識に涙が落ちた。

でも、手は動かせなくてただただ擦ることも出来ずに泣いてただけだった。

古屋が私を連れて来たのは、保健室でも教室でもなく校舎裏だった。