全ての授業が終わり、放課後になる。
今日は実行委員の集まりがあるから、海くんと一緒に多目的室に向かった。
「海〜!ちょっと来てくんね〜?」
廊下の曲がり角に差し掛かったとき、海くんの名前が呼ばれた。
「ごめん華恋、ちょっとだけ待っててもらってもいい?」
「分かった!」
「ありがと」
男の子のとこに行った海くんを見送って、曲がり角を曲がろうとした時だった。
――ドンッ!
「わっ……!」
反対から人が出てきて、勢いよくぶつかった。
サッと手を後ろについて足で地面を蹴る。
こ、転ぶところだった……!
咄嗟に受け身をとったから怪我はしなくて済んだみたいだ。
「うわっ……!まじでごめん、怪我、ない?」
顔をあげると、相手の人の心配そうな顔が映った。
わ……綺麗な人だっ……。
メッシュが入ったストレートな髪の毛。アクセントに茶色い瞳が映えている。
顔も整っていて、イケメンという部類に入る人だな、と直感で思った。
なんていうんだろう、海くんとは違うタイプのイケメンだっ……。
海くんが太陽なら、彼は月って感じがした。
って、分析してる場合じゃなかった……!
「はい、私は平気です!貴方こそ怪我は……」
「俺は平気。部活で急いでて……まじで悪かった」
謝ることないのにっ……!
むしろ私の不注意のせいだ。
「あの、謝らないでくださいっ……私にも原因があったので……!」
笑顔でそういえば、彼は目を見開いた。
「――ふっ……ありがとな。……あんた、名前は?」
えっ……な、名前……?
どうしてだろうと思ったけど、とくに隠すことでもないので口を開いた。
「音乃華恋です」
「……華恋、ね」
復唱するように呟いた彼は、もう一度ふっと微笑んだ。
「俺は佐賀宮煌。煌って呼んで。――それじゃ」
「へっ……あっ、はい!」
去っていった彼……煌くんをぼーっと眺めた。
笑い方、綺麗だなぁ……。
顔立ちがクールな印象だからか、笑うと年相応の男の子に見える。
