そして、500キロ離れたキミと手を繋ぐ

 代わりに、建物や地面や人を淡い光が覆っていた。

 えっちょっとまって。
 身体のあらゆるところから冷や汗が出ている気がする。

 たぶんきっと防御系ではあるはず……そうだと信じたいけど。

 これ何分もつんだろう。
 もしかしたら時間が経ったら解除されるんじゃなく○回攻撃を受けたら消えるタイプの光かもしれない。

 とりあえず、私の4箇所巡る計画は終わりました。

 だってあの計画は、3分間歌って25分間もつドーム状の結界を張れるから、移動時間も合わせて、ギリギリ結界を途切れさせることなく歌い続けられるというもの。
 今からここにドーム状の結界を張り直していたら、最初に作った結界が解けてしまう。

「すみません! りっくーん、じゃなかった、リックさーん!」
「!?」

 呼び間違えながらも声をかければ、私に背中を向けていた彼がこちらを向く。

「いきなりのお願いで申し訳ないんですが、私の歌が止まらないよう守ってくださいませんか? 次歌う曲は、歌い続けている間、ほぼ全ステータス2倍の効果を味方に与えられるはずです」

 最初に結界を作った場所まで戻ってやり直す方法もあるけど、
 もうこうなったらあの巨人を倒す方に賭けてみたいと、そう思ってしまったから。

「……なるべく善処はします」
「充分です」

 できるだけ守ってくれるらしい。

「♪〜」

 返答に満足した私は、さっきまでと違う曲を歌い始めた。