そして、500キロ離れたキミと手を繋ぐ


 そう決意していると、りっくんが笑う。

「それに、歌、また聞けて嬉しかった」
「こちらこそだよ! りっくんがいなかったら歌えなかったと思う」

 りっくんと再会するまで、りっくんといたころを、即興で歌を歌っていたことを、もう過去のことだと思っていたから。

 願わくば、この楽しい時間がいつまでも続いてほしい。

 一度思い出として終わらせようとしてしまった私が言うのもなんだけど、二度目の出会いは、二度目の縁こそ、離さないようにぎゅっと握りしめて、大事にしたい。

「これからもよろしくね!」

 温もりを確かめるように手を伸ばした。

「こちらこそ」

 りっくんも応えてくれる。


 ――そして、500キロ離れたキミと手を繋ぐ。



[完]