「こっちが怖いよ! 鳴海ちゃんがそんなになるなんて何があったの!」
たしかにスマホ禁止の学校ということもあって今まで登下校中にスマホを見たことはなかった。
それより、だ。
私はさっきのメッセージ画面を友達にも見せる。
「教えてもらったんだけど、次のイベント情報が出てるんだって」
「え!? ……ちょっと待ってリックさんと連絡してんの!?」
メッセージ画面にはやり取りしている相手のプレイヤーネームが表示される。友達はそこを凝視して固まっていた。
「有名なの?」
「そりゃそうだよ! なんてったって【超越者】だもん! まあモモもそろそろ仲間入りしそうだけどね。金曜日の映像がきっかけでますます【桃色の歌姫】って噂が広がってるし、そろそろNPCにも届くんじゃない?」
「?」
「鳴海、もしかして【超越者】を知らない……?」
「知らないね……」
そう言えばあの街を襲う巨人を討伐した時に聞いたような聞かなかったような。ただし言葉の意味は知らないままだ。
「めっちゃ強いことがNPC……ノンプレイヤーキャラクター……つまり現実世界の人が中身をやってる人じゃなく本当にEFOの中を生きてる人に認められた人が【超越者】。超人って思うくらい強いってこと」
ほうほうなるほど。
たしかにりっくんの強さは頭ひとつ抜けていた。膝をついた巨人の首までジャンプして剣を届けられたのはりっくんだけで、私を助けられたのもりっくんだけだった。
「過疎ゲームってのもあって【超越者】もほとんどいないんだよね。新しく【超越者】が出るとお知らせが出るし、そもそもプレイヤーの中で噂になったものをNPCが聞いて【超越者】認定されることもあるから、ちょー有名。オンラインゲームには『トッププレイヤー』って概念がよくあるけど、EFOでいうトッププレイヤーは間違いなく【超越者】とイコールだね」
人が少ないゲームなのだけは知っている。最初に「EFOのなかでクラスメイトに会っちゃったりする?」と友達に聞いたら「不人気すぎてクラスメイト全員知らないんじゃないかな……」と言っていた。
けど。
「りっくんってすごくすごいね!?」



