そして、500キロ離れたキミと手を繋ぐ

 さっそく申請にOKを押して、フレンドになった。

『申請ありがとう!』
『ID覚えてたのすごい』

 少し悩んで、そんなメッセージを送る。
 りっくんと再会したときは空白の期間なんてなかったみたいに話せたけど、思ったよりメッセージは難しかった。そもそもりっくんとメッセージでやり取りするのはこれが初めてだから仕方ない。
 ……そう。
 当時の私はスマホを持っていなかったので、連絡先を交換することなくりっくんは引っ越して行った。

 EFO(エフォ)と連動するスマホアプリを使えば、現実世界でも今みたいにメッセージ機能を使うことができるけれど、EFO(エフォ)のメッセージ機能には制限が多い。既読機能がないし、写真が送れないし、長文もだめ。それに使えないワードも多い。
 別のアプリのアカウントを教えようにも、いわゆる「出会い」を防止するために、連絡先を含む個人情報はやり取りできないようになっている。

 どうして当時、連絡先を交換しなかったのだろう。
 自分のスマホがなくとも、何か方法はあったはずなのに。

 りっくんと再会するまではほとんど悔やんでこなかったのに、急に後悔の気持ちが湧いてきた。

 そんなとき、ぴこんとメッセージが届いた。

『言っただろ?』
『俺、モモのことだけは絶対に忘れないから』