はんちゃん───絆菜は基本的に気づいたらすぐ返してくれる。
ほら、今だって。
《今度会うときにやってみます!》
《楽しみにしててください!》
今度か……。
スマホで時間を確認。この時間なら、間に合うかな。
電車を乗り換えて向かう先は、自宅の最寄駅───じゃない。
「はんちゃん」
「…先輩!どうしてここにいるんですか!?」
「ん〜?はんちゃんに会いたくて」
かわいい彼女、はんちゃんの自宅の最寄駅だ。
ちょうど学校帰りのはんちゃんと会えるんじゃないかと思った俺の予想は、見事に当たったらしい。
「なっ……。ずるいですよ、それは」
「思ったこと言っただけだよ?」
「っ、だからそれがずるいって言ってるんですよ!」
顔を赤らめて目を逸らしているのが、逆効果ってわかってないんだろうな。
よく言うじゃん、男は好きな子に意地悪しちゃうって。
「このあと時間ある?駅だと人多いからさ」
「あります!作ります!えっと、親に連絡しておきますね」
「ふっ、ありがとう」
ぱっと、笑顔が咲く。
はんちゃんは表情がころころ変わるから、一緒にいるこっちは飽きない。
一緒にいるだけで楽しくなれて、疲れたときもはんちゃんといると疲れがとれる。



