Nocturne of Light~ノクターン オブ ライト~

でも、その瞬間。
ふわっと突然、視界が優しく塞がれ
不意に肩を引かれ、身体ごと後ろへ向かされる。


「見なくていい」
耳元で聞こえた、静かな声。カインだった。
そっと手で、リリィの目元を隠す。

「お嬢さんは、見る必要ない」
その声だけは、優しかった。



そして次の瞬間。
乾いた銃声が、地下室へ響き渡った。


ビクッ とリリィの肩が大きく震えた。
カインの手で視界を塞がれているのに。

耳に残る音だけで、何が起きたのか分かってしまう。

さっきまで聞こえていたソルジャーの声は、
もう聞こえない。

胸が苦しい。怖い。

頭では分かっている。

ここは、命と裏切りが隣り合わせの場所。

綺麗事だけじゃ、生き残れない世界。
でも

“助けて”と叫んでいた声が、
突然消えてしまったことが。

リリィには、 あまりにも重かった。