Nocturne of Light~ノクターン オブ ライト~

「こっちがダイニングで。向こうがキッチン。」

キッチンでは40代ほどの女性が昼食の
準備をしていた。

その後、
たくさんの本や資料が並ぶ書庫に案内される。


「わぁ···本がたくさん···」
「読みたいなら読めば?ここも自由に使えってボスから。」

昔から読書が好きなリリィは、興味を持つ。

ざっくりと屋敷内を案内され、最後は中庭。


小さな噴水に花や緑。

暖かな日差しに柔らかな風。
ここがマフィアの拠点で屋敷なんて、
忘れてしまうくらいだった。


「綺麗···」

ふとリリィは草花が生える花壇に目が行く。


「あ、この植物。お茶にするととっても美味しいの。こっちは···」

その姿を黙ってみているルカ。


「··詳しいんだな?」
「あっ、ごめんなさい。昔よく育ててたから。つい··」

「別に。謝るところじゃねぇだろ」

(今までなら···)

こんな会話や周りをみる余裕など全くなかった。

薄暗い部屋に閉じ込められ。

リリィの能力だけを利用され。
人間扱いなどしないも同然だった。

だから、何気ないルカとの会話も。
こうしてみる景色だけでも。

いまのリリィには心地よかった。