いじわる主治医は、私にだけ甘い

内診の台に座ると自動で椅子が動いて、カーテンで見えないとはいえ恥ずかしい体勢に身体がビクっとなる。

先生が
「じゃあこの画面見ててね」と液晶をさして優しく言うけど、

「もうやめてください、怖いです」と言ってしまう。

「花野さん、一緒に深呼吸3回しましょう」

「は、はい」

すぅ、はぁーって3回繰り返す。

「まだ怖い? 何が怖い?」

「見られてるのも怖いし」

「綺麗だよ。何も怖くないよ」

綺麗ってそんなことある!?
患者なのに……

「それに痛いかもしれないから」

「力抜いてたら痛くさせない。ほら、手を出して」

先生がカーテンの向こうから手を出して、私は握り返した。

「本当に冷えちゃって……早く終わりにしような」

そう言って先生は手を強く握りながら、深呼吸〜というと、私の中に機械が入ってきた。

「んっ」

「痛かった?」

「いいえ大丈夫」

10秒くらいで先生はすぐにそれを抜いてくれた。

「いまので最低限は見れたからね。よくがんばった! 台を戻すよ」

変な感じはしたけど全然痛くなかった……。

先生すごい。