いじわる主治医は、私にだけ甘い

クリニックに入って受付すると本当にすぐ先生に呼ばれた。
席に促されて、ぽふんと座る。

「先週の生理は辛かった?」

「貰った薬がすごく良くて、いつもより楽でした」

「だとしたら、やっぱ子宮内膜症かなぁ。みてみないとなんとも言えないけど」

「あの、私どうしてもあれやりたくないんです」

だって処女だし明らかに怖いし、痛いし、絶対無理!

「貧血の数値も結構良くなかった。だから内診して確認しないと手の打ちようがない」

「それでも怖くて……あのこんな患者迷惑ですよね? もう来ないので」

「絶対だめ」

すると、先生はふぅーと息を吐いたあと、真面目な顔して信じられないことを言った。

「処女なんだろ? なら俺が一生、責任もって花野さんをみるから、内診挑戦してみない?」

「は、、、? ええええええ!?」

俺が???
一生????
責任をもって?????

どどどどどういう意図があったら、そんなことを言えるの!?

「あの、それって」

「もし俺じゃ不満なら……」

「不満とかじゃなくて。処女とか一生とか……バカにしてるんですか」

「違うよ。花野さんがあまりにも素直だから、そう思っただけ。大切に診たいと思ったんだよ」

「なんでそんなに優しくしてくれるんですか?」

「……今は秘密。だけど、気持ちは本気だよ。この検査結果で内診無しで返すわけに行かないから」

そんな真剣な顔で言われたら、
逆らえるわけない。

「解りました。台に乗るだけなら。あの、痛かったら途中でやめてください」

「うんありがとう! よく言ったね。これからよろしく」

そう言って、先生は手のひらを出してきたので握手し返した。
厳しい先生って聞いてたけど、みんなにもこんな感じなのかな?