いじわる主治医は、私にだけ甘い

来週の月曜日の5時、また私はクリニックの前に立ち尽くしていた。

前回とは気持ちの重さが違う。
だってまたあの桐ヶ谷先生という男の先生に診察されるのだ。

「ねぇ、花野さん。そんなとこでなにしてんの?」

「うぉわ!! 先生!!」

病院の裏道から、先生はタバコをもったまま、眉をひそめて話しかけてきた。

タバコ吸うんだ……ちょっと意外かも。

「これから診察だよね?」

「はい」

「俺は5分休憩」

「タバコ吸うんですね」

「……たまにな」

「ほら、緊張なんかしてないで早く行った行った。すぐ呼ぶから」

「はーい」

私は先生の言うことを聞いて、そのままクリニックの中に入っていった。