いじわる主治医は、私にだけ甘い

彩人は免税の高級宝石店に連れてきてくれた。

「このネックレス、冴に似合うと思ってたんだ」

「え、でも」

「旅の思い出にさ、ひとつどうだ?」

「ありがとう! 一生大事にする」

そこで店員さんがやってきて、値段も言わずに彩人からカード(黒かった……!)を受け取る。

「彩人……間違いなく高いよね」

「まぁこの位だ、と指を5本立てた」

5万、では無いな。決して。
それにもうひとつ0が足されるだろう。
そんなの人生で受け取ったことない!

「やっぱ半分は出すよ!」

「いいから」

「あのね。私、彩人が欲しいものとか分からないから返せないし。何か返したいの」

「じゃあちゃんと俺の手術受けて、早く元気になること」

「うん……分かった。私頑張るから。彩人の隣にいて自信もって笑えるようになる」

「ハハッそれが一番嬉しい」

彩人は本当の笑みを見せてくれた。

「冴が笑ってくれるのが俺も嬉しい」

「ふふっ。ありがとう」

ネックレスはキラキラ輝いていた。
一生の思い出を胸に抱いて、私たちは日本へと帰国した。