いじわる主治医は、私にだけ甘い

お腹に軽く手を当ててくる彩人。

「痛いっ」

「ごめん、痛くさせたな。うん。薬を飲んで休もう」

「こっちこそごめんね」

「いいんだよ。大丈夫だから」

と背中をさすってくれる彩人。
自分のことをこんなにも大事にしてくれる人がいる。
それだけで痛みより先に胸があたたかくなった。

薬を飲んでホテルで休憩したら、体調も回復した。

「もう大丈夫」

「だが痛みの元は筋腫だ。そこを手術しなきゃいつまで経っても冴は我慢し続けなきゃいけなくなる」

「解ってるよ。でも手術は怖いの」

「どうしたら怖くなくなる?」

「彩人先生が……ずっとそばにいて守るって言ってくれたら」

「そんなの最初に言ったろ。俺が責任を持って一生みるって」

「そうじゃない……なんて言えばいいのかな。私たちまだお互い知らないことたくさんあるから。心から私も彩人も互いを信用できるようになりたいの」

「そうか。まだ足りないか」

「ごめん、上手くいえなくて」

「いいや、素直に本音を話してくれたのは嬉しい」

いいよ。とりあえずゆっくり寝なと彩人は私の髪を撫でた。
そこからまた記憶が薄らいでいった。