都市へ出た私は腰まであった髪を肩までバッサリ切り落とし、靴や服を買って、化粧品もいくつか買った。
なんだったらその場で着て、メイクまでした。これで少しはまともになった。
本当は不動産屋さんにも行きたかったけど時間も時間でそろそろ都鳥さんが帰ってくる。
確か定時に帰るって言っていたし。
さっさと家を出て都鳥さんの邪魔しないようにしないとなぁとか思いながら玄関を開けて動きが止まった。
男性物の靴がある。
別におかしいことはない。なんてったって同棲相手のものなんだから。でもなんでだろう。この靴だけで怒ってるってわかる。
おそるおそる靴を脱いで、そのまま直で部屋に逃げ込もうとした時。
「千早」
ビビるぐらい低い声で名前を呼ばれた。思わず「ヒェッ」と声を出して反射的に顔を向ける。
「おかえり」
「……ただいま」
般若かな?せっかくの綺麗なお顔が怖くて直視できません。
そのまま真っ直ぐ私の方へと向かってきた都鳥さんは髪に触る。
「切ってきたのか」
「……はい…」
「似合っている」
「ありがとうございます……」



