転生者公爵令嬢は王太子相手に商売で無双する。王太子妃なんかお断りイケメン執事の方が好みです

ソファーに座っていたジュリエッタはびっくりして腰を上げそうになったが、すぐにトスがきてジュリエッタの前に片膝を立てて跪いた。

ジュリエッタの手を両手で包み込んで

「ジュリエッタお嬢様、先ほど奥様からお許しを頂きました。どうか私トーマスセントレアーナ・ボンと結婚していただけませんか。ずっとお嬢様をお慕いしていました。でも執事の身でお嬢様に結婚を申し込むこともできず、でも諦める事も出来ず悩んでいたのです。先ほど奥様からお嬢様との婚姻の打診を頂きました。これをお受けしてもいいでしょうか?」

ジュリエッタは大きな目からぽろぽろと涙を流して

「嬉しい。トス、どうぞよろしくお願いいたします。トスが大好き」

そう言ってジュリエッタはトスに抱き着いた。

そしてそっと顔を上げてトスを見れば、トスの顔が近づいてくる。

そっとジュリエッタの唇にトスの唇が触れてジュリエッタは初めてのキスに夢見心地だ。

トスはジュリエッタを自分の膝の上にのせて

「本当に夢を見ているようです。公爵家の3男で何の爵位もないのですが、ジュリエッタ様は本当に僕で良いのですか?」

と尋ねた。

「もちろんよ。トスが良いの。トスとこれからも二人で頑張りたいわ。爵位は別に要らないけれどメロウ家には子爵の爵位もあるようなので、それを継承してもいいわね」

そんな事を話ながらも、トスのキスが止まらない。

角度を変えて何度も何度も繰り返される熱いキスに酔いしれていると、扉をたたく音がそんな二人の邪魔をする。

「何だ」とトスが応えると“お嬢様あてに王家からの手紙でございます“と従僕の声

あわててジュリエッタを膝から降ろしてドアを開けて手紙を受け取り封を切ると、王太子殿下から明日の午後一番で王宮に来るようにという趣旨の事が書いてあった。

2人は顔を見合わせて

「お嬢様、便箋にはおめでたい時に用いられるこの国の国花である一夜月下花(いちやげっかばな)の透かしが入っています。多分明日は王太子殿下より婚約の申し入れがあるのではないでしょうか?」

「そう、とうとう来たのね。でもまだ王家からの婚姻打診じゃなくて王太子殿下からのもので、明日来るようにというお呼び出しだから大丈夫よ。それに私たち婚約したのだもの。お断りできるわ」

取りあえず母に相談して明日はトスと二人で王宮まで参内する事になった。