転生者公爵令嬢は王太子相手に商売で無双する。王太子妃なんかお断りイケメン執事の方が好みです

この頃のジュリエッタを見るトスの目には熱い想いとないまぜになった少しの不安が見え隠れしている。

王太子殿下の卒業の前にはジュリエッタに対しての王太子殿下の接近が、頻繁になって来て正直困惑していた。

同じ時に馬車が着くと王太子殿下が”僕がエスコートする“と言って、ジュリエッタを馬車から降ろしてそのままクラスまでエスコートしていく。

だからトスはなるべく王太子殿下の馬車と重ならないように時間を御者に調整させている。

王太子殿下もまた同じようにこっちが遅くすると遅くして、早くすると早くしてくるのだった。

ジュリエッタは”いたちごっこね“と言って笑っている。

笑っている場合ではないとトスはハラハラする。

まだ亡くなる前に前公爵にジュリエッタとの婚姻を打診されていたことがあるのだが、前公爵と二人だけの話だったので突然亡くなった事でその話も流れてしまっている。

トスからは立場上求婚なんてできない。

トスはジュリエッタと並び立つために自分は何をすればいいのかと悩んでいたのだ。

そしてジュリエッタはメロウレストランとメロウカフェにその横にメロウの特産品やケチャップや米などを売るふるさと村ショップを3店舗同時にオープンさせた。

サロペットのドレス店も入れると4店舗メロウの店が並ぶことになるのだ。

もう王都のこの通りをメロウ通りという人まで現れて、ふるさとショップの前の店が空いたのでそこにビーズアクセサリーの店もオープンしたものだから、ついには本当にメロウ通りと改名されたのだった。

メロウ商会は、そろばんや足踏み脱穀機の販売に水車の権利の販売と技術協力などを中心に運営されている。

それだけでもメロウ商会は手いっぱいになっている。

そろばんは結局3階に工房を置いたままで運営している。そろばんの発注が落ち着いてくるとなんとか回せているし、近くにある事で検品もスムーズで今は発注があってからの作成なのだが、それでも1~2カ月待ちになっている。

一般の人でそろばんが欲しい人はメロウ商会に注文に来なければならない。

王都中で売っている所はない。

この頃は地方の役所からも注文がまとまって入り使い方を教える人を派遣する事もあるのだ。

メロウ商会の1階ではそろばんの使い方の講座も毎日2回開かれている。

学院の商学コースではそろばんが必修になって、学院からのオーダーが毎年定期的に入るようになったのだ。